
なお、この記事は福島県の伊達市(北海道の伊達市ではありません)の話です。親から引き継いだ家をどうするかは、決断が重いぶん、つい先送りしがちです。
結論を先にお伝えすると、伊達市では空き家バンクの「直接型・間接型」の違いを理解したうえで、売れにくい家は買取も比べるという順番が無理のない進め方です。
- 福島県伊達市の空き家率は13.32%(2023年・二次サイト集計)。人口は53,162人(令和8年9月1日・市公式)で月ごとに減少
- 令和8年公示地価は前年比+0.32%、令和7年基準地価は-1.07%と方向が割れており、相場は一方向に言い切れない
- 空き家バンクは「直接型」か「間接型」を選べ、老朽化が目立つと登録を断られる場合もある
- 改修補助は買い手向け(解体補助は未確認)。台風19号で住宅1,130棟が被害を受け、浸水が気になる地区は個別確認を
伊達市の空き家率は13.32%。人口は月ごとに自然減と社会減が続く
2023年の住宅・土地統計調査では、伊達市の空き家率は13.32%、賃貸用住宅の空き家率は27.10%とされています(二次サイトの集計で、全国815市区中310位で、空き家の戸数は今回確認できていません)。北海道の伊達市は17.02%と別の数字になるため、混同しないようご注意ください。
| 項目 | 数値 | 出典・注意 |
|---|---|---|
| 現住人口 | 53,162人(21,617世帯) | 令和8年9月1日・市公式 |
| 前月比 | 95人減 | 自然減62人・社会減33人 |
| 高齢化率 | 36.7% | 令和5年9月30日時点・高齢者福祉計画 |
| 2050年の見込み | 50.0% | 同計画で示された見込み |
「買い手の数が減っていく」方向の地域だと受け止め、時間をかけすぎない判断が大切です。
公示は微増、基準は微減。伊達市の相場は一方向と言えない
伊達市の地価は、令和8年公示が前年比+0.32%、令和7年基準が-1.07%と方向が割れています。公示と基準は調査地点が違うため、坪単価の差を値動きとして読むことはできません。
| 指標(住宅地) | 平均(二次サイト集計) | 前年比 |
|---|---|---|
| 令和8年公示地価 | 約8.7万円/坪(約26,400円/㎡) | +0.32% |
| 令和7年基準地価 | 約5.7万円/坪(約17,200円/㎡) | -1.07% |
地価の方向は公示と基準で割れているので、「上がっている」「下がっている」と決めつけず、地区ごとの査定で確認するのが確実です。
建物込みの中古戸建は、GMO不動産査定の集計(直近3年・105件)で、中央的な相場が約1,700万円でした。築年数で大きく開きます。
| 区分 | 相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 中央的な相場 | 約1,700万円 | 延床115㎡・土地約70坪・築27年 |
| 築36〜40年 | 約660万円 | 築年数で大きく開く |
| 築50年以上 | 約185万円 | 築古は大幅に下がる |
| 2022年の平均 | 2,200万円 | 件数が少なく年ごとに振れる |
| 2023年の平均 | 1,000万円 | 件数が少なく年ごとに振れる |
| 2024年の平均 | 1,750万円 | 件数が少なく年ごとに振れる |
| 町域別の最高(南堀) | 2,800万円 | 町域別ではこの地区が最高 |
実際の売却価格を示すものではありません。いずれも目安として、地区ごとの査定でご確認ください。
伊達市の空き家バンクは「直接型」と「間接型」を選べる
伊達市の空き家バンクは、協働まちづくり課の移住定住推進係が窓口です。特徴は、契約方式を直接型・間接型から選べる点です。
| 方式 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 直接型 | 当事者間で交渉する方式 | 費用や手間を抑えたい人、近くに住み時間も取れる人 |
| 間接型 | 宅建業者が仲介する方式 | 条件交渉や契約書作成を任せたい人、遠方で内覧が難しい人 |
どちらを選ぶかは、手間と安心のどちらを重く見るかで変わります。迷うときは、窓口で両方の流れを聞いてから決めても遅くありません。
- 登録できるのは市内の売却または賃貸を希望する空き家
- 居住を目的としない物件は対象外
- 現地確認で老朽化が目立つと断られる場合もある
- 必要書類は全部事項証明書・公図・名寄帳・登録申込書
詳しくは市の空き家バンクのページと空家相談窓口をご確認ください。
バンクで反応がなかったり、登録そのものを断られたりしたときの次の手を、先に決めておくと焦らずに済みます。
補助金は買い手向けが中心。売主には「売りやすさの材料」になる
伊達市の「空き家改修等支援事業補助金」は、空き家バンクに登録された物件を購入した県外移住者・子育て世帯・新婚世帯が対象です。令和5年4月1日以降の購入分が対象です。
| 項目 | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 補助上限(来てふくしま補助なし) | 100万円 | 対象経費の1/2 |
| 補助上限(来てふくしま補助あり) | 50万円 | 対象経費の1/2 |
| 過疎地域加算 | あり | 詳細は市のページで確認 |
| 対象となる購入分 | 令和5年4月1日以降 | 予算に達し次第、締め切り |
年度ごとの更新状況は未確認のため、市の補助金ページで最新の内容をご確認ください。
これは買い手向けの制度ですが、バンクに登録すると、買い手が補助を使える物件として紹介できる可能性があります。これは解釈であり、補助の適用は買い手の条件次第です。
解体費や家財処分の補助は、確認した範囲(空き家対策・バンク・改修補助のページ)では見つかっておらず、未確認です。移住支援の一覧資料も含め、市の窓口に問い合わせて確かめるのが確実です。
台風19号の被害と浸水への備え。阿武隈川沿いは個別確認を
伊達市は令和元年東日本台風(台風19号)で、住宅1,130棟が被害を受けました(市の被害まとめ)。どの地区が特に被害を受けたかは確認できていません。
| 被害区分 | 件数 |
|---|---|
| 全壊 | 178棟 |
| 大規模半壊 | 115棟 |
| 半壊 | 354棟 |
| 一部損壊 | 483棟 |
| 救助 | 277人 |
阿武隈川沿いなど浸水のおそれがある場所では、ハザードマップで所在地を確認し、過去の浸水の有無を把握しておくと、買い手や査定担当への説明がスムーズです。
なお、福島市の通勤圏としての需要があるのではないか、という見方もありますが、出典を確認できておらず推測の域を出ません。実際の需要は、地区ごとの査定で確かめてください。
相続した空き家は、特別控除と登録義務化もあわせて確認
相続した空き家を売る場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円が控除される特別控除(国の税制)があり、市の空き家対策ページでも案内されています。適用には要件があるため、税務署や税理士にご確認ください。
同ページには令和8年4月1日からの登記に関する義務化の記載もあります。内容の詳細は公式ページで確認が必要ですが、名義が整っていないと売却手続きが進まないため、早めに登記の状況を確かめておくと安心です。
相続した家は、家族間で「誰が決めるのか」が曖昧なまま時間が過ぎることも少なくありません。売却に動く前に、相続人の間で名義と方針を確認しておくと、査定後の話し合いが進めやすくなります。
すぐに売らない場合も、市のシルバー人材センターによる巡回管理(TEL 024-577-6022)という選択肢があります。空き家を放置せずに管理する手段として、検討してみてください。
仲介で売る家、買取で手放す家。伊達市での使い分け
築年数が比較的浅く、状態が良い家は、地元の不動産会社や一括査定での仲介が合っています。価格は買取より高くなる可能性があります。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 向く家 | 築浅・状態が良い家 | 築50年以上・傷みが大きい家 |
| こんな場合 | 地元の不動産会社や一括査定 | 残置物が多い・相続整理が途中 |
| 価格 | 買取より高い可能性 | 仲介より安くなりやすい |
| 進めやすさ | 買い手が付くまで時間がかかる | 売却時期を決めやすく手間も減る |
築50年以上、傷みが大きい、残置物が多い、相続の整理が途中、といった家は、買い手が付きにくい場合があります。そうした物件には、訳あり物件の買取に対応するラクウルのようなサービスが選択肢になります。
訳あり物件の買取に強いラクウルの評判や使い方は、次の記事で確認できます。


事故物件(人の死が関わった物件など)の場合は、専門の窓口もあります。


「家族の思い出があるから決められない」「売って後悔したらどうしよう」と迷うのは、当然のことです。人口が減っていく地域では、時間が経つほど価格が下がりやすい面もありますが、焦って決める必要はありません。
無料の査定で現実的な数字を知っておけば、売る・貸す・持ち続ける、どの道を選ぶにしても、納得して決められます。
伊達市の実家は、まず査定額を確認してから、じっくり考えれば大丈夫です。
